Cosi fan tutte
Qobuzの日本サービス開始で、いろいろ聴き始めました。今日は、明日からの鈴鹿エンデューロに出かけるために準備しなくてはならないので、ほんとはこんなことしている時間ないのです。お昼にはレンタカー屋で仲間と集合なのです。(11/1はほんとに時間が無かったので、11/4 に続きを聴いて追記し、独断と偏見のもとに良かった順に並べてます。残り、3本ほど追加で聴く予定ですが、T. クルレンツィスに出会えたので、もうおなかいっぱいかも。) シュターツカペレ・ベルリンのオットマール・スイトナー盤のリマスタリング版
32bit/96Hz音源。
重厚な印象で始まり、意図的に?ダダくさにテンポを早めて、幕が開くのがまだかと、はやらせる序曲。
そして、男声陣のイキの良いコーラスが始まり、一気にオペラに引き込まれる。そして女声陣が素晴らしくて、満足。
定番的な唄わせ方に不満ないです。このときのテオ・アダムは良く、むしろ、シュライヤーの声とよく合っている感じで、シュライヤーの声が苦手な私でも許容範囲内です。
Concerto Koln, Rene Jacobs, V. Gens, B. Fink, W. Gura, M. Boone, P. Spagnoli, G. Oddone
たまたまなのか、何故か序曲と10トラック目のコーラスがストリーミングされず、聴けない。特に序曲が聴けないのが辛過ぎる。
バロック風な節回しが不自然さなく織り込まれている感じが完成度高い。強弱、テンポのメリハリがよく軽妙で、セリフ・パートでさえも斬新で、全く退屈しない。歌手陣も不満ない。デスピーナはやりすぎな感じですが。
T. Currentzis
192Hz音源
メリハリをすごく効かせていて、やりたい放題な感じなのだけど、しっかり計算されていて、破綻しない。歌手をしっかり歌わせているので、オペラからは逸脱していない、というか、むしろ茶番劇であるCosiがコミカルに表現されて、これこそが現在のオペラに期待される演奏だという気がする。フィオルディリージやフェランドのアリアは絶品。
BGMとして心地よく聴くのは無理、Cosiなのに。Cosiとして最上級とは言えないけど、Top3に入れたくなる衝撃作。
T. クルレンツィスのことは何も知らずに聴いたのだけど、とても素晴らしかった。他の作品も聴いておこう。私にとって退屈オペラの代表格である「ドン・ジョバンニ」をなんとかしてくれるかも。あと、来日しないかな。子供達も退屈せずに聴けると思うから、子供たちをクラシック聴きに連れて行きたい。 ベーム、シュバルツコプフ版:
CD音源。
ベームもシュワルツコップも大好きです。若い頃によく聴いたので、今回は、とりあえず、彼女のアリアだけ、聴いてます。クラウスは、もっと、落ちている時に聴きます、まあ、じきにアリアが流れますけどね。
Bayerische Staatsoper, W. Sawallisch, Price, Fassbaender, Grist, Schreier, Brendel, Adm:
バイエルン国立歌劇場のライブ録音。 初めに書いておきますが、レリ・グリストを聴くための音源です。 グリスト好きが、グリストのデスピーナを聴かない訳にはいきません!!涙出てくるほど感激してしまうから、仕方ないのです。そして、サヴァリッシュも良いです。
シュライヤーの歌唱が苦手であっても、テオ・アダムの出だしがいまいちで、かつ、グリストの声とミスマッチであっても、関係なく聴いてられるのです。
Wiener Phioharmoniker, R. Muti, "Mozart The Da Ponte Operas"
ダ・ポンテのオペラ三部作で、詳細分からなかったが、Cosi は、 K. Battle, A. Baltsa, M. Marshall, J. Morris, F. Araiza, J. Van Dam, で、キャストに文句なし。Mutiの指揮もオケも良い。ライブ録音。
S. Kuijken, S. Isokoski, M. Groop, N. Argenta, M. Schafer, P. Vollestad, H. Claessens
クイケンを初めて聴いた。ピリオド・アプローチよろしくテンポがよく、序曲から引き込まれる。
ナンシー・アルジェンタのデスピーナが軽やか
Simon Rattle, Orchestra of the Age of Englightment?, MARTINPELTO, HAGLEY, MURRAY, STREIT, FINLEY, ALLEN:
ライブ録音。ハイレゾじゃないのが残念だが、録音は良い。
序曲のテンポが早く、古楽器の小気味よい音がよく整っていて良い。歌も整っている。女声陣はいまいち。フェルランドのアリアは、よいけど、古風でちょっと面白い。 音量上げて聴くべし。
New Philharmonia Orchestra, O. Klemperer, M. Price, Y. Minton, L. Popp, L. Alva, G. Evans, H. Sotin: ポップのデスピーナは、ドンアルフォンソとのかけあいなど声質的に軽妙でいいのだけど、歌唱はすごい貫録でミスマッチ感あり。ゾーティンのドンアルフォンソがいい! どうもクレンペラーが重厚さを指向している感じで全体としてはいまいち。
Chamber Orchestra of Europe, G. Solti, Fleming, Von Otter, Scarabelli, Lopardo, Bar, Pertusi
Bohm, Della Casa, ...
London Philharmonic Orchestra, B. Heitink, C. Vaness, D. Ziegler, L. Watson, J. Aler, D. Duesing, C. Desderi
Winer Philharmoniker, Bohm, 1974 (100 Years Salzburg Festival) Yanovitz
ザルツブルク音楽祭。豪華キャスト。でも、個人的には、サヴァリッシュ盤と同じくグリストを聴くためのもの。この盤のグリストはサヴァリッシュ盤より良いかも。
Berliner Philharmoniker, D. Barenboim, Cuberli, Bartoli, Rodgers, Streit, Furlanetto, Tomlinson, ..
美しい調べ。女声陣も良い。しかし、cosi にバレンボイムは合わない、丁寧過ぎる。楽曲として聴く分には良いと思うが、聴き続けるのが辛い。
Orchestra of the Royal Opera House, C. Davis, K. Te Kanawa, A. Baltsa, D. Mazzucato, S. Burrows, T. Allen, R. Van Allan
ライブ録音
テンポが遅過ぎて、間延びします。テ・カナワはいい声なんですが。
後述の2022のオットマール・スイトナー盤のリマスタリング版が、Apple Musicにアップされてました。さっそく聴きました。これは、かなーり良いので、お勧めです。
でも、フェルランドは、クラウスの方がいいなあ。Apple Musicになくても、e-onkyoにハイレゾ版出てたら、それを買ってもいいのだけど、残念ながら、見つからなかったです。
カール・ベーム指揮のフィルハーモニア管弦楽団とシュヴァルツコプフ、クリスタ・ルートヴィヒ、クラウス、タディの出ている"Cosi fan tutte"を永く聴いてきたが、転職してから10年以上も聴かずにいる間に実家かどこかにCDを紛失してしまい、さすがに禁断症状が出てきた。何せ、コジは、モーツァルトの曲の中で最も好きな曲の一つなのだから。
仕方ないので、同じベームで、グリストの出ているザルツブルク音楽祭のライブ演奏(ウィーン・フィル)を Apple Music で聴いてみた。グリストはもちろん、シュライヤーとプライも好きな歌手だが、ヤノヴィッツの声は好きじゃないので、シュヴァルツコプフと比べてしまいがっかりする。シュヴァルツコプフの歌が最上だとは思ってないが、ヤノヴィッツは今の時代にわざわざ聴くほどの声じゃない。(グリストは声質的にデスピーナで、実際デスピーナなので、デスピーナが一番の聴きどころになってしまうのは悲しい)。その上、先入観として、Cosi fan tutteは、コーラスの美しさが命なので、ライブよりもスタジオ収録の方が良い気がする。。。
聴き始めたものの、案の定、途中で嫌気がさして、曲をすっとばして、グリストの独唱、シュライヤーの独唱を聴いて強制終了。ベームの指揮もヤノヴィッツにあわせたかのように、ノリが悪い。
あまりに物足りないので、Webページを検索していると、以下の東賢太郎さんという方のWebページより、オットマール・スイトナーのベルリン国立歌劇場のがよく、iTunesで聴ける、との情報を得た。
同演奏がサブスクしているApple Musicにもあったので、ダウンロードして聴いてみると、こちらは、録音が悪いが、音楽的にはすごく良くて、演奏はベームの旧版同様にノリが良く、かつ、メリハリが効いていて二幕通して一気に聴けてしまいそう。シュライヤーも、こちらの方が断然いい。(序曲のテンポはちと速すぎる気もする)
そして、なによりも、女性陣がいい。フィオルディリージ役のカーサピエトラの歌唱が秀逸で、飛び抜けて極上の二、五、六重唱を聴けた。ドラベッラ役のブルマイスターも最初いまいちに思えたが、盛り返してきた。上述の素晴らしいWeb情報のおかげで、本当に幸せな瞬間がやってきた!!
なお、序曲は、かなりスローな出だしで始まるものの、すぐに速いテンポに変わり、軽妙でメリハリの効いた演奏で、歌につなげます。
iTunes でも、1900円で購入できるが上述の通り音が良くないので、2023年1月6日に2000円で出されるらしいリマスタリング版(2022年)を待ったほうが良い。
Apple Musicにもリマスタリング版(2022年)がアップされたので聴いてみたが、これは音が良くなっていて、オススメである。
聴きどころ
Overture
1幕シーン2: アリア: Una'ura Amorosa (フェルランド)
(1幕を上記アリア、つまりシーン2の終わりまで通して聴くのがお気に入り。以下のように聴きどころが詰まっているので。)
その他
1幕シーン1: 3重唱: La Mia Dorabella Capace non e (フェルランド、グリエルモ、ドン・アフロンソ)
1幕シーン2: デュエット: Ah Guarda, Sorella (フィオルディリージ、ドラベッラ)
1幕シーン2: 5重唱: Di Scrivermi Ogni Giorno (フィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ、ドン・アフロンソ)
1幕シーン2: 3重唱: Soave Sia Il Vento (フィオルディリージ、ドラベッラ、ドン・アフロンソ)
1幕シーン2:アリア: Smanie Implacabili (ドラベッラ)
1幕シーン2:アリア: In Uomini, in Soldati (デスピーナ)
1幕シーン2: (通して聴く)
レチタ! (フィオルディリージ)
アリア: Come Scoglio (フィオルディリージ)
1幕フィナーレx
2幕冒頭: Eccovi Il Medico (フィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ、ドン・アフロンソ、デスピーナ)
2幕シーン2: 二重唱: Prendero Quel Brunettino (フィオルディリージ、ドラベッラ)
2幕シーン4(フィナーレ) ここは聴かなくてもいいかも
Ah, che tutta in un momento (フィオルディリージ、ドラベッラ)
E Nel Tuo, Nel Mio Bicchiero (フィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ)
V'ingannai, Ma Fu I'inganno (フィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ、ドン・アフロンソ、デスピーナ)
Fortunato I'uom Che Prende (フィオルディリージ、ドラベッラ、フェルランド、グリエルモ、ドン・アフロンソ、デスピーナ)